Porsche - マカンと 
8 人のドライバー

マカンと 
8 人のドライバー

五大陸を駆ける一台のポルシェ。多彩な才能を秘めたマカンが、行く先々で待ち受ける試練に立ち向かう。国籍の異なる 8 人のドライバーに、マカンのファースト・インプレッションを訊いてみた。

未来のひとコマ

韓国 / ソウル、興仁之門

マカンは韓国に相応しいクルマでしょうか?
韓国では湿気を帯びた暑さと厳しく乾いた寒さが交互にやってきます。この過酷な自然環境は当然、路面状況にも少なからず変化を与えますので、マカンに関心を寄せる人は多いですね。韓国では 4WD モデルやクロスオーバー SUV が人気ですが、このセグメントではドライビングパフォーマンスを諦めざるを得ません。しかし、マカンは違います。スポーツカーの DNA を受け継いだ強さを実感できるのです。

韓国でお薦めのドライビングルートは?
マカンは真のスポーツカーでありながら、広い室内スペースを備え、優れた快適性と低燃費を誇ります。特にキャンプなどのシチュエーションでその快適性を実感することでしょう。マカンにキャンプ道具を積み込んで、韓国東部の江原道に走らせてみたいですね。

マカンを運転した印象はいかがでしたか?
私は計 5 日間、マカン S ディーゼルで高速道路と郊外のワインディングロードを走りました。マカンは卓越した走行パフォーマンスとパワフルな加速力、優れた走行安定性を発揮し、リッチなドライビングプレジャーを与えてくれました。

マカンにもっともふさわしい場面は?
渋滞の多い市街地、速度を出せる高速道路、郊外のワインディングロード、そしてオフロード……マカンならどのようなシーンでも器用にこなすことができるでしょう。特に印象的だったのはワインディングロードでの走りです。マカンの機動性は見事ですね。

特に印象に残ったポイントを教えてください
新型モデルが登場すると注目を浴びますが、ポルシェとなればなおさらです。マカンは行く先々で誰もが視線を向けてきて、世間の関心の高さに驚きました。未来的なデザインと機動性が見事に融合したマカンを例えるなら、そう、宇宙船でしょうか。マルチプレイヤーのマカンは、その完璧なパフォーマンスで私を惹きつけます。

走行スタイルは一般的にどのような感じですか?
そのフューチャーリステックなデザインとその機動性を誇るマカンは宇宙船を引き合いに出すことができるでしょう。マルチプレイヤーのマカンは、その完璧なパフォーマンスで人々
を惹きつけます。

Jung Sang-Hyun
写真 Min Sung-Pil


ボタン操作ひとつ

オーストラリア / メルボルン、ホージア・レーン

マカンはオーストラリアに相応しいクルマでしょか?
オーストラリアでは、整備された高速道路、路面が凸凹のアスファルト道路、内陸部の起伏が激しい幹線道路と、場所によって路面状況が大きく異なります。まさにマカンにもってこいの環境だと思います。

オーストラリアでお薦めのドライビングルートは?
世界最高のドライビングルートのひとつとして挙げられるタルガ・タスマニア・ラリーのコースでしょうね。45 カ所の特別ステージはすべて一般道で、ラリーさながらのドライビングプレジャーを享受することができます。

マカンを運転した印象はいかがでしたか?
スポーツプラス・ボタンを押して、ポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステム(PASM)のスポーツモードとスポーツクロノパッケージが作動した際、“真のスポーツカー” だという印象を受けました。

マカンにもっともふさわしい場面は?
ビクトリア州の南東部、トーキーの西海岸沿いに伸びる全長 243km におよぶグレート・オーシャン・ロードです。小さな漁村を結ぶカーブの多い海岸線をひた走れば、オーストラリアの素晴らしいランドスケープを堪能できます。

特に印象に残ったポイントを教えてください
アデレードの北 137km に位置する南オーストラリアの有名なクレアバレーにワイナリーツアーを敢行した際、2005 年に “世界最高のシラーズワイン” に選ばれたキリカヌーンをはじめとする世界屈指のワイナリーに立ち寄ってワインをケース買いしたことですね。4 シーターで容量 500 リッターのラゲッジルームを備えるマカン S は完璧な仕事ぶりを見せてくれました。

走行スタイルは一般的にどのような感じですか?
オーストラリア大陸を横断すれば、あらゆる走行スタイルを満喫できるでしょう。卓越したマカンのロードホールディング性能なら、オーストラリアの高速道路を難なく長距離移動することもできます。あらゆる路面に対応する能力を備えるマカンは、道路や交通状況の秩序が保たれている限り、スポーティなドライバーに報いる走りを披露してくれます。マカンの多彩な性能は称賛に値します。

Michael Browning
写真 Michael Browning


夜明けのスタート

ロシア / モスクワ、聖ニコライ聖堂

マカンはロシアに相応しいクルマでしょうか?
ロシアでは費用対効果を気にするカスタマーが多く、コスパの高い SUV が好まれる傾向にあります。マカンはその強いマーケットイメージと高いヴァリューにより、このセグメントにおけるファーストチョイスとなるでしょう。

ロシアでお薦めのドライビングルートは?
マカンは最低地上高が確保されていますから、モスクワやサンクトペテルブルク以外での地域も問題なく走行できます。ロシア文化の発祥地として有名な 16 ~ 18 世紀の建築物を擁する “黄金の環境” を巡るルートがお勧めです。

マカンを運転した印象はいかがでしたか?
非常にコンパクトでパワフルです。ダイナミックで機動性が高く、そしてとても快適です。

マカンにもっともふさわしい場面は?
ずばりモスクワです。一部が 5 車線になっているガーデンリングなら、マカンのイメージを全て把握することができるでしょう。特に早朝の交通量の少ない時間帯なら、24 時間レースさながらの走行も可能です。ただし、監視カメラがあることをお忘れなく!

特に印象に残ったポイントを教えてください
多くの人がひっきりなしに “新型カイエン” を見に来ましたが、私がこの “ニューモデル” について説明すると、驚きと期待の表情を浮かべていました。ここロシアでの “マカン” のヒットは間違いないでしょう。

走行スタイルは一般的にどのような感じですか?
ロシア人は一般的に、交通ルールを熟知してはいますが、それを守るかどうかは別の問題で、ドライバー各々の性格や気性、その時の気分によって大きく左右されます。右追い越しや渋滞している交差点へ猛スピードで突っ込んでくる車輛をよく見かけますが、そういう愚行は真似せず、交通ルールを遵守していれば心配ありません。

Alexander Evshtokin
写真 Alexey Sulima


北を目指して

スコットランド / クイーンズフェリー、フォース・レイル・ブリッジ鉄道橋

マカンはスコットランドに相応しいクルマでしょうか?
スコットランドには刺激的な道路がたくさんあります。スポーティなマカンであれば、最大限に楽しむことができるのです。

スコットランドでお薦めのドライビングルートは?
やはり郊外のドライブですね。たとえば湖や西海岸沿いを周遊するルート。あるいはさらに北上して雄大なハイランド地方の散策もお勧めです。

マカンを運転した印象はいかがでしたか?
初めてステアリングを握った時、マカンにもスポーツカーの遺伝子が受け継いでいることを実感しました。さらにマカンでは、広々としたスペースと快適性が共存しているのです。

マカンにもっともふさわしい場面は?
エディンバラからフォースロードブリッジを渡り、M90 をパース方面に北上します。ノックヒル・サーキットに立ち寄り、その後パースを過ぎたら A85 で西に進んで原野と湖に向かうのもいいでしょう。ティンドラムから A82 で北上してグレンコーに向かうルートもお勧めです。

特に印象に残ったポイントを教えてください
フロントスクリーン越しに広がる壮大なパノラマ。そして地平線の彼方へ続く道。背に太陽を受けながら新鮮な風を受け、素晴らしい湖と山々を眺めながら紅茶とケーキでブレイクすれば、地元の人々との会話も弾みます。

走行スタイルは一般的にどのような感じですか?
エディンバラをドライブしてみて、マカンにどれほどインテリジェントなエンジニアリングが採用されているか、すぐに分かりました。スコットランドでは郊外に向かうルートも基本的には分かりやすく、難なく目的地にたどり着くことができます。北上するのであれば、道路をほとんど独り占めできるでしょう。

Adam Towler
写真 Malcolm Griffiths


カメレオンの街

アメリカ / ロサンゼルス、「ハリウッド」のサイン

マカンはロサンゼルスに相応しいクルマでしょうか?
ぴったりでしょうね。マカンは市街地ではパワフルでかつ小回りが利きますし、ハイウェイではその秘めたポテンシャルを解き放つことができる。渓谷のワインディングロードでは機動性を見せつけ、オフロードでも優れた安全性を発揮するからです。

ロサンゼルスでお薦めのドライビングルートは?
マリブからラティゴキャニオンロードのヘアピンカーブを駆け抜け、パシフィックコーストハイウェイ、サンセット大通り、そしてかの有名なハリウッドサインで知られる麓の公園にかけてのルートがマカンにはぴったりでしょう。

マカンを運転した印象はいかがでしたか?
マカンはパワーと操作性、そして快適性が完璧にバランスしています。室内のス
ペースは理想的で、直進走行であれ、コーナーであれ、いかなる状況下でも比類なきドライビングプレジャーを与えてくれます。

マカンにもっともふさわしい場面は?
実際にドライブすればご実感いただけると思いますが、ロサンゼルスでは風景がカメレオンのように変わります。都会を抜け出すと山が聳え立ち、西部には
ビーチが広がっています。その中からどれかひとつ選択するのは、自分の子供の中でどの子が一番かわいいかという質問に答えるのと同じくらい難しいものです。

特に印象に残ったポイントを教えてください
マカンの優れた機動性のおかげで、ロスの街を探索する楽しみが増えました。渋滞していた時に住宅街をすり抜けたのですが、手入れの行き届いたクラフトマンスタイルの一軒家が連なる街並みやスペイン風のヴィラは目の保養になりました。

走行スタイルは一般的にどのような感じですか?
観光客がロスで渋滞に巻き込まれたら、「どうやってこんな所で生活していけるのだろうか?」と聞いてくるかもしれません。そんな時は、日曜日の早朝、空いた一般道路と都市高速道路に連れて行ってあげて下さい。

Lawrence Dietz
写真 Axel Koester


虎の特別居留地

南アフリカ / 西ケープ、フランシュホークの山道

マカンは南アフリカに相応しいクルマでしょうか?
 “虎”というネーミングが相応しいですね。実に利便性に富み、南アフリカの道路でもアドレナリンが放たれるクルマです。

南アフリカでお薦めのドライビングルートは?
ブドウ畑を抜けるワインディングロード、凸凹な路面が続く山間道路、そしてケープワインランドに広がるエキゾチックな風景を眺めながらのオフロード……。これらの素晴らしいルートを駆け抜ければ、きっと新たな感動が得られるはずです。

マカンを運転した印象はいかがでしたか?
暴風時にドライブしたことがあるのですが、マカンは走行安定性を損なわず、とても運転しやすかったです。

マカンにもっともふさわしい場面は?
ケープタウンのセンチュリー・シティにあるポルシェ・センターを出発して、N1 でパールに向かいます。R304 にぶつかったらステレンボッシュ方面へ進み、ブドウ畑を抜けて R45 に合流。南アフリカで最も過酷かつ魅力的なワインディングロードであるヘルシューグトは最初のハイライトです。T字路で右折すると絵画のように美しいフランスホーク村が現れ、さらに R321 でグラボウへと向かい、N2 をカレドン方面に進みます。R44 に出て、ヘルマヌスを抜けてさらに進むと、R43 を伝ってガンズバイに到着です。

特に印象に残ったポイントを教えてください
ケープワインランドを抜けるドライブです。柔らかな緑のブドウ畑を岩だらけの山道が遮っていたのですが、この路面をマカンで進むなら……オフロード体験ができる絶好のチャンスです。

走行スタイルは一般的にどのような感じですか?
長距離ドライブは虎のディーゼル・モデルにうってつけでしょう。その性能はまさに “機敏” のひとことで、随所に 911 の DNA を感じます。

Derek Watts
写真 EJ Langer


国境を越えて

インド / ムンバイ、チャトラパティ・シヴァ―ジー・ターミナス駅

マカンはインドに相応しいクルマでしょうか?
悪路がきわめて多いこの国では、マカンの最低地上高はプラス要素です。予測不能な交通状況下では、コンパクトで操作しやすいクルマが求められます。その点でも合格です。

インドでお薦めのドライビングルートは?
最高速度とダイナミクスの面でマカンの限界を引き出せるルートがいいでしょう。マハーラーシュトラ州のサタラからカルナタカ州のベルガウムへの幹線道路がお勧めです。

マカンを運転した印象はいかがでしたか?
心を鷲掴みにされました。着座位置が高いのですが、まるでスポーツカーを運転しているかのようなハンドリングに感動しました。

マカンにもっともふさわしい場面は?
山に行くべきですね。私自身も、世界で最も危険と言われているサングラから、インドとチベットの国境までの道路を是非試してみたいと思っています。美しい幹線道路もありますし、コンパクトで操作性の高いマカンには然るべき冒険がお似合いです。

特に印象に残ったポイントを教えてください
『トップギア』編集部のオフィスはムンバイの一等地にあり、駐車スペースを探すのは至難の業です。私がマカンで出社して同僚に駐車スペースがあるか尋ねたとき、彼はクルマを見るなりこう言ったのです。「問題ありません。どうぞ、ここに停めて下さい」と。信じられません!

走行スタイルは一般的にどのような感じですか?
ここではあまり見かけないため、人々はポルシェに対して大きな敬意を抱いています。マカンならムンバイの入り組んだ市街地でもコンパクトなボディを利してスムーズに走れますし、快適性も享受できます。幹線道路は渋滞が多く、パフォーマンスを十全には発揮できませんが、ひとたび前が空けば、優れた加速性能で遅れを取り戻すことができるでしょう。

Girish Karkera
写真 Rajeev Gaikwad


南北をつなぐ道

ブラジル / リオ・デ・ジャネイロ、シュガー・ローフ・マウンテン

マカンはリオ・デ・ジャネイロに相応しいクルマでしょうか?
リオは長いビーチと緑の山々の間に広がる素晴らしい街です。イパネマでサーフィンを楽しみ、チジュカの標高 1000 メートルの森を散歩して自然を満喫することができます。マカンなら山岳路でのドライビングエクスペリエンスにも期待できます。

リオ・デ・ジャネイロでお薦めのドライビングルートは?
市内にあるアテロ・ド・フラメンゴパークはシュガー・ローフ・マウンテン麓の静かな入り江の端に広がるとても美しい公園で、お勧めです。圧巻の景色の中で、マカンはポストカードさながらの完璧な被写体となるでしょう。

マカンを運転した印象はいかがでしたか?
マカンは市内を移動するのに理想的なクルマだと思います。従来のス
ポーツカーとは一線を画し、見事な快適性とスポーツ性を兼ね備えていますから。ひとたびマカンのアクセルペダルを踏み込めば、サーキットで走らせたいという衝動に駆られます。やはり、マカンは生粋のポルシェです。

マカンにもっともふさわしい場面は?
マカンにとってリオ周辺の道路はまさに打ってつけの舞台と言えるで
しょう。特に人気が高いのは、北部にある湖水地方のビーチ。そして入り江の海岸と島々の眺めが素晴らしい南部のアングラ・ドス・レイスです。
他にも、高原にある都市ペトロポリスやテレゾポリスのワインディングロードも美しく、ドライブするのにもってこいです。

特に印象に残ったポイントを教えてください
有名なコパカバーナ広場にある由緒正しい “ホテル・ブラジリアン” の前にポルシェが停まっていたとしても珍しいことではありませんが、マカンはどこに行っても注目の的でした。

走行スタイルは一般的にどのような感じですか?
リオは交通量も多く、そのような環境ではマカンの性能を発揮できないとお考えになるでしょう。しかし、リオではまだ多くの人がマカンの優れたハンドリング性能やポルシェならではのスポーツ性、そして市街地での機動性を知りません。マカンは退屈な市街地のドライブを 
 “ドライブエクスペリエンス” に昇華させてくれるのです。

Jorge Meditsch
写真 Jorge Meditsch