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ポルシェが救急車仕様のカイエンをシュトゥットガルト市消防局に納車ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:Dr.ヴェンデリン・ヴィーデキング)は、救急車仕様のポルシェ カイエンをシュトゥットガルト市の消防局救急課に2台納車しました。“フロリアン シュトゥットガルト5/82-1”および“5/82-2”という無線呼出名称が与えられたこの2台は、9月8日にツッフェンハウゼンにおいて、ポルシェAGの人事担当取締役トマス・エディヒからシュトゥットガルト市の法律・治安・公安担当助役Dr.マルティン・シャイラーに引き渡されました。

入札の結果、シュトゥットガルト市はポルシェAGに2台の救急車を発注しました。ベースを白にペイントされた2台のカイエンは、混流生産されたのちポルシェのトレーニングセンターにおいて、消防局指定の仕様に沿って変更が加えられました。例えば複雑な救命医療機器を搭載できるよう、車内は完全に作り変えられています。さらにこのカイエンには、無線機器、無線データ伝送システム、細長いブルーの救急灯、サイレン、そして指令本部が車両の所在地を把握できるようにするためのGPSが装着されています。医療機器としては、心電図(ECG)、除細動器(心臓停止時に電気ショックを与える装置)、呼吸補助装置、幼児用の救急機器、各種の医薬品などが積み込まれます。

取締役のトマス・エディヒは次のように述べています。「こうした複雑で取り組みがいのある特別な注文を、当社の職業研修の一環として引き受けられるということは、当社の従業員に広範な能力とスキルがあることを物語っています。この種のプロジェクトは、最善を尽くそうと努力する若い従業員の意欲をいっそう強く掻き立てるものです」。

救急車が通ることを、より早くまた確実に他のドライバーに知らせるために、画期的なシグナルが初めて採用されることになりました。まず、車の流れを横切って進む際に自車の存在をいっそう強くアピールできるよう、サイドインジケーターライトにはブルーのライトが装着されました。また、特に都市部を通行する際にどの方向から救急車が近づいているのかを把握しやすくするため、サイレンの音には「シューシュー」と鳴る高音が組み込まれています。こうした対策は、救急車が通るための路上スペースをより素早く確保し、現場到着までの時間を短縮することを目的に考案されたものです。シュトゥットガルト市の消防局はこの先駆的な取り組みについて、科学的な調査を行う意向を示しています。

ドイツでは「ランデブー システム」と呼ばれる仕組みが確立していて、救急医は病院から直接現場に急行し、現場で救急隊員と合流します。ポルシェ カイエンは、シュトゥットガルト市消防局の任務に求められる重要な条件を満たしています。例えばシュトゥットガルト市は丘の多い地形のために、あらゆる地形を走れる車であることが求められます。しかもその車は都市部を俊敏に走れるものでなくてはなりません。また、人や荷物を載せるために十分なスペースがなければならず、緊急時にはドライバーと乗員を最大限に保護できる必要があります。カイエンは、最高出力213 kW(290 PS)を発生するダイレクト・フューエル・インジェクション(ガソリン直噴システム)採用の3.6リッター6気筒エンジンを搭載しているうえ、走行安全性を高めるポルシェ・スタビリティ・マネージメントシステム(PSM)を標準装備しています。また、4WDシステムにより、どのような路面状況でも優れたハンドリングとトラクション性能を発揮します。車内には高度なパッシブセーフティが備わり、フルサイズエアバッグや2個の側胸部保護用エアバッグ(サイドエアバッグ)に加え、展開時にはサイドウインドウ全面を覆う2個のカーテンエアバッグがルーフフレームに組み込まれています。各種のセンサーは前面/後面/側面衝突を認識するだけではなく、横転の危険もあらかじめ察知し、緊急時にはシートベルトプリテンショナーとカーテンエアバッグを作動させます。

この2台のカイエンは、ポルシェのトレーニングセンターにとって初めての特別任務ではありません。ポルシェの次世代を担う専門家達は、すでに緊急車両の装備に関しては広範囲な経験を積んでいます。研修生達はこれまでにも、ポルシェの拠点であるツッフェンハウゼン、ヴァイザッハ、ライプツィヒで任務についている工場内の消防部門や健康管理チーム向けにさまざまなカスタマイズ車両を製造してきており、その中には産業医向けに用意した救急医療用車両も含まれています。また、モスクワ市消防局もレスキュー車としてカイエンを採用していますが、これもツッフェンハウゼンで製造された特注車両です。

ただし、取締役のエディヒは、この種のプロジェクトは例外的なケースでのみ行われることを強調し、次のように述べています。「私達は、将来的に救急車事業を確立させるつもりはありません。とはいえ、シュトゥットガルト市における救急医療サービスの迅速化と向上に貢献できたことは、私達にとっては特別な誇りです」。

今回の「救急車」プロジェクトには、ポルシェの若い研修生が参加しました。前途有望な自動車メカトロニクス技術者、製造メカニック、エレクトロニクス技術者、車両整備工など、男女あわせて10名です。さらに2名の経験豊富な指導教官と、シュトゥットガルト市消防局の専門家も加わりました。

助役のDr.マルティン・シャイラーは研修生の成果を称賛し、次のように述べています。「シュトゥットガルト市の救急医療サービスに貢献するこうした重要な車を製造するにあたり、若い人々がそのプロジェクトに積極的に参加できるようにするというのは、すばらしいアイデアです。州都シュトゥットガルトの緊急救援活動にとって、救急車は欠かすことのできない存在です」。

2008/9/11