Porsche

シーズンレビュー 2008

昨シーズンの4大会6戦から、6大会11戦へと、大幅にラウンド数が増加して開催された、2008シーズンのポルシェ カレラカップ ジャパン(以下PCCJ)は、その増えた戦いの場に応えるように、史上まれに見る激戦が展開された。

世界最速のワンメイクレースと謳われるPCCJには、今シーズン11名の新規参戦と15名の継続参戦といった、合わせて26名ものカレラカップパイロットが名乗りを上げた。またMY06、MY07カップカーに加え、約20馬力パワーアップしたエンジンを搭載するMY08カップカーも9台参戦したことにより、プロフェッショナルドライバーの参戦も可能な「クラスA」(08モデル全て)と、トップアマチュアドライバーによって競われる「クラスB」の2クラス混走レースとなった。さらにポールポジションやファステストラップに与えられていたポイントを廃止し、各クラスそれぞれ15位までにシリーズポイントを与えるなど、レギュレーションを変更。一層見応えあるレースシリーズへと変貌を遂げた。

レーススケジュールも、例年より早く3月末の富士スピードウェイ合同テストからスタート。S耐のサポートレースとして開催された4月26〜27日の開幕戦を皮切りに、5月25日の第3戦岡山国際サーキット、富士での6月28〜29日 第4&5戦、SUPER GTのサポートレースとして7月26〜27日にスポーツランドSUGOで行われた第6&7戦、そして9月6〜7日、再び岡山へと戻った第8&9戦、F1日本グランプリのサポートレースとして大観衆に迎えられた最終の第10&11戦と、ほぼ月一回開催のペースでシリーズを消化していった。第3戦の岡山ラウンド以外が全てダブルヘッダー大会であったため、参戦パイロットには毎レースで高い集中力を保たなければならない厳しい戦いが強いられたはずだ。

それに加え、昨年と比較してウエットコンディションのセッションが多かったのも今シーズンの傾向だったが、実のところ、レースそのものがウエットで行われたのは富士での第5戦のみ。しかしレースウィークに入ってから練習走行や予選で雨に見舞われると、セットアップが遅れるとともにその方向性が天候に左右されるため、決勝に向けたレースの組み立てが非常に難しくなる。今シーズン、クラスAで#28都筑晶裕(A)、#27都筑善雄(A)、#8清水康弘(A)による激しいチャンピオン争いが最終戦まで繰り広げられたのは、彼らの実力そのものが伯仲していたのが一番の要因だが、こうした天候面が影響した可能性も少なからずあるだろう。

彼らの今シーズンの戦いぶりを分析してみると、#28都筑晶(A)が優勝4回、2位3回、3位2回、#27都筑善 (A)は優勝1回、2位5回、3位3回、そして#8清水康(A)は、優勝3回、2位2回、3位3回という成績。最終戦までもつれ込み、PCCJ史上最も激しかったシリーズチャンピオン争いは、#28都筑晶(A)が獲得することで決着が付いた。興味深いことに優勝回数で見ると#28都筑晶(A)、#8清水康 (A)、#27都筑善(A)の順だが、ポイントランキングでは#27都筑善(A)が逆転して2位に入っている。これは例え優勝できなくても、常に上位に食い込む#27都筑善(A)の走りが光った部分でもある。

またクラスBに目を移すと、何とPCCJが生涯初レースという#37濱口弘(B) が独走で、最終戦を待たずしてシリーズチャンピオンを決め、その非凡な才能を見せつけた。過去にフォーミュラトヨタでシリーズチャンピオンにも輝いた実績を持つ、#33小早川済瑠(B)は残念ながら2位。#37濱口(B)が全11戦中6勝を挙げた上、それ以外はすべて2位に入る抜群の安定度を誇る一方で、#33小早川 (B)は5勝を挙げたものの、第3戦岡山でのノーポイントが最後まで響き、#37濱口(B)を追いつめることができなかった。

世界最速のワンメイクレースカーに乗る26名のパイロットが、全11戦ものレースを戦い、最終戦まで激しいチャンピオン争いを演じ、息つく暇もないほどの最高のバトルを展開・・・・・・。これまでの8年に渡る歴史の中で、最も見応えあるシーズンであったといっても過言ではない今年のPCCJ。来シーズンには新たに2009年モデルカップカーの参戦も控えているほか、今シーズン同等のラウンド数で争われる予定の中には、新生鈴鹿で行われるF1日本GPのサポートレース開催も含まれるなど話題も多い。こうして世界最速ワンメイクレースのジャパンシリーズPCCJは、2009年も益々エキサイティングなシーンを各サーキットで繰り広げることだろう。