ポルシェ カレラカップ ジャパン 2007 "モービル1チャレンジ" レースレポートポルシェ ジャパン株式会社(本社:東京都目黒区 代表取締役社長:黒坂 登志明)とポルシェ カレラ カップ ジャパン (PCCJ) 委員会主催による、ポルシェ カレラカップ ジャパン 2007 "モービル1チャレンジが、富士スピードウェイ(静岡県)にて2007年9月28日(金)~30日(日)に開催されました。
2007年9月28日(金):公式予選
天候:曇り 気温:29° 路面温度:32°
例年のようにシリーズ戦全ラウンドの終了だけでは終わらない今年のPorscheCarrera Cup Japan (以下PCCJ)。PCCJ史上初の開催となるF1日本GPでのサポートレース「スペシャルラウンド モービル1チャレンジ」の週末が、ここ富士スピードウェイ(静岡県)で遂に幕を開けた。
9月28日(金)〜9月30日(日) の3日間で行われるこのPCCJスペシャルラウンドは、金曜日にフリー走行と公式予選を行い、土曜日に決勝レース1、そして日曜日に決勝レース2というダブルヘッダー戦の日程で開催される。そして今日28日(金) 、F1のフリー走行1本目直後に組み込まれたPCCJのフリー走行を無事に終えたカレラカップパイロット25名に、いよいよ公式予選アタックの時が迫っていた。
F1フリー走行2本目の終了から15分が経過した午後3:45。25台の911 GT3 CupType997が、11のF1チームによって華やかに装飾されたピット前に集結した。つい少し前まではサーキット全体がF1マシン独特の高い音色のエキゾーストノートに包まれていたこと、それぞれのF1マシン達が明日の公式予選に向けてメンテナンスを受けているピット前でコースインを待つという情景からも、カレラカップパイロットの誰もがF1GPのサポートレースへ参戦していることを肌で感じる空気の中での予選アタックとなった。
午後4:00 いよいよ公式予選がスタートした。#60 山田洋二を先頭に25台のカップカーが次々とコースイン。富士スピードウェイは今シーズンの第2戦/第3戦が開催されたサーキットでもあり、25名中22名のパイロットが6月に熱戦を繰り広げた舞台だが、#1 大井 貴之、#22 阿部 翼、#33 南郷 博美の3名がこのサーキットでPCCJへ参戦するのはこのスペシャルラウンドが初となる。さあシリーズ戦を戦い抜いたパイロットを前にこの3名はどんなアタックを見せるのか。
最初に1分46秒台でこの時点のトップタイムをマークしたのは#1 大井 貴之の1’46.260。2番手以降には#25 都筑晶裕の1’47.422、#22 阿部 翼の1’47.532、#44平川 晃の1’47.682と続いた。しかしここで#9 武井真司のマシントラブルによって、コース上のオイル処理が行われることとなり約15分間の予選中断の後、予選アタック時間が残り18分というところで再開した。
この時点でまだアタックラップを行っていない2007シリーズチャンピオンの#26 高木 真一は予選再開と同時に早速アタックを開始し、チャンピオンの貫禄とも言えるタイム1’45.752を記録し、すぐさまトップに躍り出た。これを知ってか#1 大井もすぐに1’45.892をマーク。0.140秒差で肉薄。しかしそこはチャンピオン高木が更にギャップを作る1’45.099をマーク。#1 大井はその後タイム更新ならず2番手。3位に#22 阿部 翼の1’46.646。4位には#25 都筑 晶裕が1’46.659、5位に#86 藤井 芳樹の1’47.123、6位に#44 平川 晃の1’47.421という結果で公式予選は終了した。
明日の決勝レース1は午後3:30スタート。その直前にはF1日本GPの公式予選も行われる日でもある29日(土)。PCCJ初のF1GPサポートレースの決勝1を制するカレラカップパイロットは果たして誰か。
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2007年9月29日(土):決勝レース1
天候:曇り(路面:ウェット) 気温:16° 路面温度:17°
PCCJ史上初のF1GPサポートレース決勝1が行われる日が遂に訪れた。すでに全6戦が終了しているPCCJ2007年シリーズでは、全戦ドライコンディションでの決勝レースが行われた今シーズンだったが、この日は朝からの雨。天候が変わりやすいことで有名な富士スピードウェイのコースは、ウェット路面に加えて徐々に霧が視界を遮る状況になり始めていた。
午後になり2:00からのF1公式予選が開始された時点で雨は次第に落ち着き、路面の水分も徐々に引き始めた。F1マシンが巻き上げる水煙はアタックが繰り返されるたびに外見からはあまり目立たないレベルにまで回復。このF1公式予選の直後にスタートするPCCJ Mobil1 Challenge 決勝レース1に向け、次第に天候が良い方向に動き始めた。
F1公式予選が終了した午後3:00、いよいよPCCJ Mobil1 Challenge 決勝レース1に向けたコースインが始まった。雨は止み、あとは霧が再発してくれないことを祈る中、全25台がフォーメーションラップを終えて全車グリッドに整列。午後3:30、シグナルのオールブラックによって10周で争われるPCCJ初のF1サポートレースの決勝1がスタートした。
ウェットコンディションでのレース。第1コーナー進入で先頭に立ったのは2番手スタートの#1 大井 貴之、そして#26 高木 真一の順で続いたが、第2コーナー立ち上がりでは2番手に落ちた#26 高木が再び#1 大井を差し返して前に出たが、3番手スタートでPCCJ初参戦の#22 阿部 翼がこの2台の攻防を横目に一気にトップに躍り出る展開を披露。その後#1 大井がダンロップコーナー入口でやや膨らみ大幅に順位を落とし、オープニングラップは#22 阿部、#26 高木、#86 藤井 芳樹、#25 都筑 晶裕、そして9番手スタートの#24 都筑 善雄がこれに続く5番手、#44 平川 晃という上位6台となった。
そして2周目には、4番手を走行していた#25 都筑 晶裕が、前を行く#86 藤井をパスし3番手ポジションに上がった。先頭2台は依然として#22 阿部、#26 高木のまま両者が3周目のダンロップコーナーへ差しかかった時、ややイン側にスペースをは作って進入した#22 阿部のラインを見逃さず、すかさずそこへ飛び込んだ#26 高木。しかしこれが#22 阿部の右リアを突く結果となり、#22 阿部がスピン。#26 高木もこれによりタイムをロス。その間に3番手に付けていた#25 都筑 晶裕が一気にトップに立ち、3周目は#25 都筑 晶裕、#26 高木、#86 藤井、#24 都筑 善雄、#22 阿部、#44 平川という順位でコントロールラインを通過。
その次の周回、2番手走行中の#26 高木がネッツコーナー手前で痛恨のスピン。これによって#26 高木は3位へポジションダウン。#86 藤井が2番手となった。その後、再び霧が視界を遮り始める中でレースは周回を重ね8周目に差しかかるホームストレート。4番手#22 阿部と5番手#77 ドラゴンがサイドバイサイドのまま第1コーナーへ突入。ブレーキング勝負は#77 ドラゴンに軍配が上がった。
そしてウエットレースの中、全10周を走りきり2位に11.8秒のギャップを作りチェッカーを受けたのは#25 都筑 晶裕。2位以降は#86 藤井、#77 ドラゴン、#22 阿部、#44 平川、#24 都筑 善雄の上位6名となった。尚、3位でフィニッシュした#26高木は、3周目のダンロップコーナーで#22 阿部と接触した件について審査委員会の裁定の結果、走行時間に1分を加算するペナルティを受け、16位という結果に終わった。
2007年シーズンのPCCJでは初となったウエットコンディションでの開催は、シリーズ戦とは違った展開の中で終了した。そして明日は決勝レース2が行われる。天候はどこまで回復するのか。F1日本GP決勝レース直前の開催とあって観衆のボリュームも更に増すことが予想されるレース。勝利の女神は誰に微笑むのか。
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2007年9月30日(日):決勝レース2
天候:雨(路面:ウェット) 気温:16° 路面温度:17°
小雨と霧という天候の中で行われたPCCJ Mobil1 Challenge 決勝レース1から一夜明けた9月30日(日)、F1日本GP決勝レースを午後に控えた午前10:30より、PCCJ Mobil1 Challenge 決勝レース2が行われる。
昨日の空模様とは一変・・・というコメントになるような天候回復は叶わず、雨足は更に増し、路面は完全なウエットコンディションという状態でレースが行われることとなった。午前10:10より全24台のカップカーがコースイン。昨日の第1レース同様、各チームは決勝を控えるF1マシンが格納されたピット前で配置につき、2007年のシリーズ戦では一度も無かった天候で、前方視界の確保もままならない雨天でのスタートに誰もが緊張した。
オンタイム進行によって午前10:30からのフォーメーションラップ後、10周で争われるPCCJ Mobil1 Challenge 決勝レース2が通常のスタンディング方式によってスタートした。ホームストレートに24台分の激しい水煙を残し各車第1コーナーへ進入。ポールポジション#1 大井貴之がやや出遅れた代わりに、2番手からの#25 都筑晶裕がそのイン側から先頭で進入。4番グリッドだった#26 高木真一はスタートで出遅れたため大きく8位までポジションダウン。その間に5番手#22 阿部翼が一気に#25都筑晶裕の更にイン側から2位で第1コーナーを通過し、#1大井がそれに続いた。2列目3番手からスタートした#77 DRAGONは、コカコーラコーナー手前でリアを滑らせ痛恨のスピン。そのままイン側へヒットしたため早々にリタイアとなってしまった。
レインコンディションのレースとあって序盤も序盤で早くも波乱の様相を見せる展開で#25都筑晶裕、#22阿部、#1大井、#9武井真司、#86 藤井芳樹がコントロールラインを通過、11番手スタートの#27 青山光司が6位でこれに続いた。そして3周目に差しかかった第2コーナー。今度は#9武井が1周目の#77 DRAGONに続くスピン、4番手ポジションながらここで戦線から離れることとなった。更に5番手の#86藤井はリアバンパーを破損するアクシデントでその後ピットインにて応急処置。リタイアこそ免れたが大幅にポジションを落とすこととなった。こうして上位2台が先頭グループから外れてしまった間に、9番手からスタートしていた#24 都筑善雄が4位、#11清水正智に至っては18番手から6位にポジションを上げて4周目に突入。しかしここでセーフティーが導入され2周が経過。7周目からレースは再開された。
雨は一向に止む気配を見せないまま7周目を終え、8周目に入るべく快調に最終コーナーをトップで立ち上がって来たかに見えた#25 都筑晶裕だったが、グランドスタンド手前で突然のスローダウン。マシントラブルにより左グラベルへ停車しリタイア。これでトップに立ったのは、このF1サポートレースでカレラカップ初参戦となる#22 阿部。2番手にはこちらもシリーズ戦には参戦していない#1大井、そして3番手には弟の#25 都筑晶裕がトップから突如のリタイヤを喫した分をチームメイトとして補うべく、兄 #24 都筑善雄が続くという上位3台。レースは残すところあと3周となった。
この時点で、2番手の#1大井から3番手の#24 都筑善雄までは10秒以上のギャップが生まれていたが、トップの#22阿部と2位の#1大井とのギャップは僅か0.8秒。そして9周目には0.5秒差というように雨足は強くなる反面、両パイロットは互いにファステストラップを更新しながら、各コーナーでは#1大井が#22阿部の背後にピタリと張り付くなど、共にスピン寸前のコントロールテクニックを披露し合うバトルが続いた。
そして#22阿部 翼がこの悪天候でのレースを制し見事ウィナーに輝いた。#1大井貴之はファイナルラップまで#22阿部にプレッシャー与え続けた結果0.4秒差で2位を獲得。3位 #24 都筑善雄、4位 #26 青山光司、5位 #44平川晃、6位 #11清水正智という上位6名。雨が降りしきる状況の中で出走24台中21台の完走によってPorscheCarrera Cup Japan史上初のF1サポートレース“Mobil1 Challenge”は全レースを無事終了した。
晴天での開催は叶わなかったがF1という世界最高峰モータスポーツイベントの中での開催は、来シーズン以降のPorsche Carrera Cupシリーズに生かされる大きな経験であったと共に、世界14カ国で開催されているPorsche Carrera Cup Seriesに含まれる日本のシリーズ「ポルシェ カレラカップ ジャパン」が、また一歩世界レベルのモータースポーツとして飛躍できた素晴らしい記念日となった。
2007/10/3